顧客レビュー

「想像が及ばないなら黙ってろ」「あなた　一体　何様だ」 レビュー者吉田 蒼

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確かに、この相棒シリーズが長く続いているのは、
犯罪方法と犯人の意外性にあるのかもしれない。
犯人らしいと思われるニンゲンと本当の犯人がちがう。
本当の犯人は、かなりのチカラをもつ人である。
それを謎解く　杉下右京の　頭脳。
サポートする　相方　15シリーズは　反町隆史の
右京への信頼と反発。更に、警察機構の闇の存在。
出世をめぐっての権力闘争、上下関係と下克上。
警察のもつ　面子、タテマエと　本音が衝突する。

No.11 アンタッチャブル
都内の裏通りで会社員の男性が刺殺される事件が発生。
その男性は、バースデイプレゼントをもっていた。
子供の誕生日に、父親が殺されたのだ。
その目撃者は、警視庁副総監である衣笠（大杉漣）のムスメだった。
上層部は　目撃者の人権を守ると言うことで、
捜査陣には知らせない。右京と冠城は、その目撃者に接触する。

No.12 臭い飯
犯罪を起こし、刑期をおえた人たちは、シゴトにつけない。
その人たちを雇う企業に、助成金を出して、就職させる。
協力雇用主制度という。
協力雇用主制度とは、元受刑者の社会復帰を促すために、
彼らを雇用した企業に補助金が支給される仕組み。
ある工事現場で　白骨死体が見つかった。
そのヨコに、お米と告発状があった。
そのお米は、協力雇用主制度を利用している
大手米穀販売会社タキガワのものであり、
告発状には『タキガワが、主食用の米に加工用米を混ぜて販売している』
犯罪の償いとしての刑期を終えた人たちに、犯罪行為をさせていた。

No.13 声なき者~籠城
No.14 声なき者~突入
法務省矯正局の新堂誠がキイマン。
新堂の家族、吉井の家族。ダブルファミリー。
エリート官僚によって家庭内暴力が頻繁に行なわれていた。
そのことで、ダブルファミリーだとわかり
新堂の息子が、ろう城する。
息子は、ある目的ー父親を告発すると言うことをもっていた。
警察庁長官官房総務課長の山崎（菅原大吉）が、
健全な家族を守る会にはいっている。
出世街道をまっしぐらなのだが。
新堂の息子に語られるのを怖がる。

No.15 パスワード
盲目の真奈美（橋本真実）は香水を自製している。
真奈美は、遺産相続をし、それを狙う連中がいた。
介護の男と、空々しい恋人。
香りに敏感な　冠城と言う設定が、すばらしい。

No.16 ギフト
計6人の女性を殺害し、
顔を切り刻むことに執着した快楽殺人犯・北一幸（野間口徹）
『誰かのために罪を犯すことに喜びを覚える』
『自分の顔を破壊したい』
両者が一致したことで、連続殺人が起こる。

No.17 ラストワーク
これが、今回のシリーズで一番のお気に入り。
フェイクドキュメンタリー。
家族を見捨てた父親が、ムスメへのメッセージ。
老いること。死ぬこと。
それでも、ラストワークと言うか、ラストステージを
つくろうとする　父親の複雑な想い。

No.18 悪魔の証明
社美彌子（仲間由紀恵）のパソコンに侵入したと疑惑をもたれる
冠城。実はサイバーセキュリティ対策本部の特別捜査官である青木（浅利陽介）
の仕業だった。
それを、うまく活用する　社。
社には、ムスメがいたのだった。
それが、週刊誌にスクープされる。
ムスメの父親は誰なのか　詮索されるが
ロシア人　ヤロポロタ　だった。
ヤロポロタは、ロシアスパイ　そしてアメリカに亡命する。

週刊誌にスクープされることが、致命的であるのに、
打たれつよい　社。
警察の査問会議に、おれきれきが集まり、
そのなかで　事実を淡々と述べる社。
「宿った子には罪はありませんから。」
その背後には　甲斐峯秋（石坂浩二）の影がちらつく。

相棒同士の激しいやりとり
右京は「想像が及ばないなら黙ってろ」
亘は「あなた　一体　何様だ」
いいねぇ。この関係が。
緊張感がある。 (投稿者 2018/05/24)

『相棒』にはハズレの作品が無い。 レビュー者木村 正広

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…というのは、僕の持論ですが。スピンオフ映画にせよ、『裏相棒』にせよ。

このシーズンで個人的に挙げれば、第4話「出来心」のように喜劇的要素の多い作品とか、第6話「嘘吐き」のように映像的な語り口が巧みな作品とか。
もちろん、主演の水谷豊さんの良く仰るように、基本的には「社会派ミステリー・エンターテインメント」とは思いますけどね。 (投稿者 2018/05/11)